社長の見解

【倒産事例】とび・土木業者のケース

昭和34年に創業し、その4年後に法人改組したとび・土木工事業者であるM株式会社が、2020年12月に地裁より破産手続き開始決定を受けました。

 

ゼネコンからの下請けを中心に、公共工事での基礎くい打ち工事・鋼矢板打設・引き抜き工事などの土木基礎工事をはじめ、高速道路におけるくい打ち作業などを請け負っていた会社です。

 

その結果、平成4年9月期の年間売上高は約11億5千万円を計上するようになり、順調に業績を伸ばせていけるものと考えられていました。

 

しかし、だんだんと公共工事が減少してしまい、さらに同業者との競争が激化したことで売上は低下。平成20年9月期の年間売上高は約4億円と、ピーク時の半分以下にまで減少します。

 

人件費負担が重くのしかかり、収益も上がらず、通年度の設備投資への借入金がさらに重荷となったことで資金繰りは悪化。

 

ただでさえ、売上が減少していた状況で経費や借入金返済などの支払いに追われ、さらに新型コロナウイルス感染拡大による影響で受注の低迷など、業績はさらに悪化してしまったことで先行きの見通しが立たなくなり今回の措置となったといえます。

 

そもそも土木業界は道路・トンネル・ダム・港湾・空港といった、人々の生活に欠かすことのできないインフラ整備に携わる工事を行うため、今後も需要は堅調が続くと見られていました。

 

鉄道や高速道路などもその1つで、都市の機能や街づくりなどにおいて必要不可欠である部分で仕事をします。そして土木と対である住居・ビル・施設などを建築することも、人々が過ごす空間づくりという意味で欠かすことができません。

 

とび・土木工事業者は、このどちらにもかかわることとなるため、社会的に貢献度の高い仕事といえるはずです。

 

今後も防災や減災対策、さらに老朽化が進むインフラ整備や建物の修繕などにも大きな予算が投入されることが予想されます。

 

ただ、2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、需要は堅調と見られていた建設・土木業界も打撃を受けることとなりました。

 

特にM株式会社のように公共工事をメインとして仕事を受注していた会社は、その影響が顕著にあわらわれています。

 

国土交通省の調査によると、2020年4月時点の公共工事は全体の4%相当である250件であり、一時中断の申し出などが相次ぐようになりました。

 

現在では感染拡大防止対策を徹底し、工事も再開されているものの、この一時中断が事業継続を大きく左右したという業者もあることでしょう。

 

基本的に建設業界は、完成物が引き渡された後で報酬が支払われる形となっており、工事が進まないことが大きな命とりになることも少なくなりません。

 

建築は民間需要8割以上ですが、土木は約9割が公共事業です。公共工事は景気に左右されにくく、将来的安泰だと考えられがちですが、コロナ禍で一時的に需要が減少したといえます。

 

M株式会社でも手元の資金が十分でない中、人件費などの支払いに追われることとなりました。それだけでなく、銀行からの借入金も負担として重くのしかかり、資金繰りを悪化させています。

 

借入金の返済ができなければどうにもならないとビジネスローンなどの借り入れに頼るようになれば、自転車操業で利息ばかり負担し続けることとなり、いつまでも借金は減りません。

 

数か月先には工事の報酬が支払われるとわかっていても、それまでの間に何も入金がなければ、手元の資金は枯渇してしまうでしょう。

 

ここで重要になるのはいち早く資金調達することですが、もしM株式会社が銀行以外の資金調達方法を知っていればもしかしたら倒産の危機は免れることができたのかもしれません。

 

資金調達する手段は銀行融資やビジネスローンなど、お金を借りる方法以外にもあります。特に新型コロナがいつ収束するかわからない状況で、借金を増やすことに不安や抵抗を感じる場合でも、負債を大きくしないで手元の資金を増やすことは可能です。

 

大切なのは資金調達の方法も多様化していることを事前に知っておくこと、状況に応じて適切な手法を選択することだといえます。

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