社長の見解

【倒産事例】自動車金属部品製造

昭和42年に創業し、その3年後に法人改組した老舗といえる自動車金属部品製造業者であり、大手自動車メーカーの二次サプライヤーとして事業を行っていたK株式会社が2020年12月に地裁から特別清算開始命令を受けました。

 

ドアフレーム・窓フレームのガラスを囲むサッシュ部分を、ロールフォーミング製法で製造・溶接・研磨加工を手がけ、他にも自動車排ガス浄化装置向けのセラミック部品加工なども行っていた会社です。

 

平成30年7月期の年間売上高は約12億8千500万円にものぼり、業績は好調と思える数値ではあるものの、実は一方で同期の最終赤字は1億4千500万円を計上するなど収益は低調な状況が続いていました。

 

そもそも過年度からの損失が累積されており、すでに債務超過という状態に至っていたようです。

 

平成31年7月期の年間売上高は約12億8千万円で前期とほとんど変わらなかったものの、最終赤字は約6千500万円でさらに債務超過額が拡がることとなり、このまま事業を継続させても抜本的改善にはつながらないと別会社に譲渡を決断。

 

令和2年8月開催の株主総会による決議で解散に至っています。

 

自動車業界は新型コロナの感染拡大で厳しい状況となり、大手自動車メーカーのすべての工場がフル稼働できない状態に陥ってしまいました。

 

これまで無借金経営だったトヨタも早期段階で1兆円融資の準備に入るなど、実態経済に左右されやすい自動車業界の苦しさを証明する動きもみられています。

 

K株式会社は新型コロナの影響で従来より受注が低下していることはわかっていたようですが、融資を受けながら何とか事業を続けていました。

 

そもそもK株式会社には新型コロナ以前にも要因はいくつかあり、資金調達先は金融機関からの借り入れという状態でしのいでいたものの、債務超過が膨らむ一方では資金繰りは改善させることはできない状態だったのです。

 

すでに追加融資も困難な状態で、借入金の返済猶予を受けることも行いながら何とか立て直せないものかと試行錯誤していたのでしょう。

 

しかし最終納入先の完成車メーカーの業績が低下すれば、自動車金属部品製造業の受注も大きく減少してしまい苦境に立たされることになります。

 

新型コロナの影響による自動車メーカー工場の操業停止で受注が減り続け、資金繰りも限界に達したという新型コロナ問題が決定打となり、結果的に持ち直すことができなかった事例の1つです。

 

これまで新型コロナ関連の倒産事例をみても、やはり従来から厳しい経営状況にあった企業が新型コロナ問題を決定打として事業継続を断念する事例が多くなっています。

 

先の見えない新型コロナ問題は経営者の事業意欲をそぐ可能性も高いですが、それでも製造業は従業員数が比較的多めの業種なので、従業員やその家族の生活も守らなければならないという葛藤を抱える経営者も少なくないようです。

 

2021年1月7日、1都3県を対象に2月7日まで特別措置法に基づく緊急事態宣言が再度発令されることとなりました。

 

これにより人々の財布の紐がさらに固く締められるようになれば、完成車メーカーの業績なども今よりさらに厳しいものになる可能性があります。もちろん自動車業界だけでなく、様々な業界に新型コロナの影響は及んでいくこととなるでしょう。

 

中小企業の資金調達先といえば銀行からの融資に頼りがちですが、他にも様々な方法や調達先があります。K株式会社でも資金調達を銀行からの借り入れだけでなく、その他の方法で解決しようとしていれば事業譲渡する必要はなかったのかもしれません。

 

コロナ倒産と呼ばれる状態に陥り事業継続を断念しなければならなくなる前に、資金調達の方法はいろいろあることを知り、手元の資金を枯渇させない経営を続けていけるようにしておきましょう。

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