社長の見解

【倒産事例】菓子類卸ケース

昭和42年に九州の菓子問屋3社が合併して、合同で菓子類卸を目的とした事業を営むための会社として設立されたのがN株式会社です。

 

そのN株式会社は、九州の南部を中心とした食料品小売店やスーパーマーケットへの菓子やパンを卸すだけでなく、パチンコ景品業者やパチンコ店運営業者を主力に営業しており、平成11年1月期の年間売上高は約28億5千万円という額でした。

 

しかし新しく大手総合スーパーに、ディスカウントストアやコンビニエンスストアなどができたことで、次々に取引先が廃業してしまうことに。さらに大手同業者との競合などの影響もあり、売上は減少。採算の取れない経営が続き、ついに債務超過に陥ってしまったようです。

 

収益面が低調に推移する中で、2020年には新型コロナウイルスの感染拡大。その影響で主力の取引先だったパチンコ店が臨時休業してしまったことが追い打ちをかけることとなり、経営状況はさらに厳しくなってしまいます。

 

その結果、3億近い負債を抱えた状態で、2020年11月に事業停止に追い込まれ、ついに自己破産申請の準備に入ることになりました。

 

新型コロナウイルス感染拡大の影響は、観光地の菓子メーカーなどにも影響を与えています。出張や旅行・帰省する人は激減してしまい、土産品の売れ行きも低迷し、業績が落ち込んでしまったという菓子メーカーや菓子卸業者は少なくありません。観光地・道の駅・飲食店や専門店向けというケースはかなり厳しい状態です。

 

特に中国など海外からの観光客が多かった観光地での観光客激減の影響は大きく、土産店が休業に追い込まれ、販売先自体もなくなってしまうといった事態が起きています。イベント自粛や外出自粛により、お茶席や贈答用・手土産用・冠婚葬祭用の菓子などをメインとしていた菓子店も影響を受けているようです。

 

それに対しスーパーなどの大手メーカーの流通菓子は品薄状態になるケースもあり、コロナ禍で急な増産に対応できず主力商品に絞っているメーカーもあったほどです。スーパーそのものの売上も減少していないといえます。

 

しかしドラッグストアでも食品の販売強化を推し進めており、食品スーパーと総合スーパーが統合されるという動きも強まっていますし、出店エリアを少しずつ広げようとする企業も目立ってきました。

 

N社のように、同業の競合が大手である場合は、取引を勝ち取ることは難しい状況に追い込まれてしまうでしょう。

 

そもそも新型コロナウイルスの影響により、収入が激減まではいかなくても減少した世帯は少なくありません。外出自粛により巣ごもり消費で、菓子などの販売は伸びたといわれています。しかし食品は毎日食べるのに対し菓子類は必ずそうではないため、どの菓子卸業者でも危機感をつのらせている状態です。

 

停滞している経済を再始動させようと、政府が打ち出したGOTOトラベルなどにより、旅行者は増えたものの海外ではなく国内など近場です。

 

その動きも感染拡大によりどうなるか先が読めず、今後、自宅で過ごす時間が長くなれば旅行に行かず浮いたお金で菓子などを含む食品を買い、家で贅沢をしようと考える方も出てくる可能性もあります。

 

菓子卸業者などはそのような菓子の売上向上に期待をしたいところでしょうが、物流などコストをいかに抑えるかという部分も検討していかなければならないでしょう。

 

庫内作業を見直し、取引先に対する配送頻度に対応できる庫内ロケーションに変更するなど、出荷効率を高めていくような戦略も求められます。

 

そのためには営業担当者が関係する事務作業をできるかぎり簡素化できるようにすること、そして簡素化によりできた時間を新規開拓に取り組める体制を整備も必要です。

 

事業が低迷しているのなら立て直しを図ることが必要であり、事業継続のためにも仕入れや人件費なども含めた物流にかかる費用の支払いに充てる資金を枯渇させないことが重要になります。

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